2014年8月25日に発売されたランドクルーザー“70”(ナナマル)シリーズは、
国内販売を10年ぶりに復活させたモデルです。
もともとは、名車ランクル40(ヨンマル)の後継車として1984年にデビュー。
途中から乗用ワゴンモデルとして「プラド」を派生させる一方で、
本流の70は30年間にわたり、トヨタきってのクロスカントリー4WD車として世界中で販売されてきました。
ただし日本国内での販売は、ディーゼルエンジンの排ガス規制などの理由で2004年に終了していました。
その70の国内販売が10年ぶりに再開されたのは、トヨタによれば、まずファンの強い要望に応えるためとのこと。
従来70の車齢が10年以上となり、ユーザーや販社からも復活を願う声が上がっていたといいます。
また、トヨタとしても70の誕生30周年を機に、世界各地で活躍している70の良さを国内のユーザーにぜひ知ってもらいたい、という意図もあるといいます。
さらには環境・安全基準が今後さらに厳しくなる中、
海外向け70を国内で販売するのは今が最後のチャンスだったということも加えてあったようです。
ゆえに国内販売は、発売から約10ヶ月後の2015年6月30日生産分で終了しました。
ランクル70は当時と現在の違いは?
基本設計は以前とほぼ同じで、ピックアップを新たに導入しました。
車体まわりの基本設計は、販売終了前と基本的に同じです。
ただし、2007年にフロントまわりをマイナーチェンジしており、外観もヘッドライトが角目になるなど大きく変わっています。
また、今回は4ドアバンに加えて、国内では初となるダブルキャブピックアップトラックがラインナップされました。
エンジンは、現行70用で日本の排ガス規制を唯一パスする4リッターV6ガソリンエンジン(1GR-FE型)を搭載しています。
また、AT仕様も海外向けにないため、5MTのみが導入されました。
シャシーは伝統のラダーフレーム構造で、「通常の乗用車をはるかにしのぐ耐久性基準」を確保しています。
サスペンションは前後リジッドで、フロントがコイルスプリング(1999年以降)、リアがリーフスプリング。
駆動方式はパートタイム4WDで、オプションで電動デフロック(前後)が用意されています。
生産はトヨタ車体(株)の吉原工場(愛知県豊田市)。
販売チャンネルはトヨタ店で、月販目標は200台。
2015年6月30日までの生産分で終了するため、10ヶ月で計2000台の計画でしたが、
フタを開けてみれば発表から一ヶ月で、受注は早くも約3600台
(バンが約2700台、ピックアップが約900台)を突破しました。
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世界のランクル70 販売状況は?
左は初めてランドルクルーザーを名乗った25型(写真は1957年式のFJ25)。
右は1960年から84年まで販売された40型(写真は1974年式のFJ40)
現在、トヨタのランドクルーザーは、旗艦モデルの200系、150系プラド、そして70系の3シリーズで展開中。
約60年の歴史を持つランクル全体の累計生産台数(今回の70発売時点)は約790万台ですが、そのうち70は約146万台(ランクル全体の18.5%)を占めているそうです。
また、2013年の世界生産台数では、ランクル全体の約35万6000台のうち、70は過去最高の7万6827台(同21.6%)が販売されたそうです。
近年の主力市場は、中近東(2013年は4万4875台)、アフリカ(同1万4411台)、オーストラリア(1万3110台)で、これらが9割以上を占めており、砂漠地帯、鉱山、農漁業等でのワークホースとして、あるいは災害・紛争地域で赤十字や国連などの人員・物資輸送手段として活躍しています。
価格など続きは次のページで!!
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